確かな知識で
より良い睡眠を。

カテゴリー

 

視察や研究

ポーランド羽毛研修2

(ポーランド羽毛研修1の続きになります)

【5日目】

ドブチツェにあるANIMEX羽毛加工工場へ。

ここで印象に残っているのは、マザーグース98の手選別です。通常はダウンやフェザー、ゴミなどの選別は機械を使います。羽毛を風で飛ばし、重いものから手前に残るといった選別方法です。しかしこのマザーグース98は成熟した高品質羽毛のため、手で選別しているとのこと。そのため熟練者でも1日8時間働いて150gしか選別できないそうです。ふとんのにしなかでご用意できる最高品質の羽毛の1つです。

ダウンは大きく中心の密度もあり、また絡みがあるので持ち上げると写真のように付いてきます。こんなに絡む羽毛はそうありません。

そこからまたバスでヴィエリチカへ移動し、地下に広がる岩塩杭を観光しました。

ここはポーランド有数の観光名所で、様々な国からたくさんの観光客が訪れていました。まず地下135mまで螺旋階段のような構造の木造階段を降ります。一般公開されていない場所は地下327mまであるそうです。階段を降りていると、だんだんと空気が冷たくなってくるのを感じました。

 

地下には大小の部屋がたくさんあり、設置されている彫刻から壁という壁が全て岩塩でした。ところどころ木材で補強されていますが、非現実な空間で圧倒されたのを思い出します。特に下の写真の大きな部屋、また地下水が溜まった湖は神秘的な雰囲気できれいでした。坑道の総延長は約300kmありますが、その内の観光ルート約3.5kmを歩きました。もちろん床も岩塩のため硬く、足が痛くなるほどでした。

 

 

さすがに地上へ帰るのはエレベーターでしたが、荷物を運ぶような鉄格子タイプでまた雰囲気があって面白かったです。

出てから昼飯をとりました。

 

そこからホテルのあるイノウロツワフへ460kmのバス移動です。

5日目の移動距離:約480km

 

【6日目】

ホテルからマザーグース農場へ移動してハーベスティング(手積み)の見学を行いました。ヨーロッパでは動物愛護の観点から、かなり動物の扱いを慎重に行う必要があるそうで、ハーベスティングが見れてラッキーでした。生きたグースから毛を採取するわけですが、採取されているグースはスタッフさんに抱っこされて毛を抜かれていました。痛がる素振りはなく、終わるとカラダが軽くなったと言わんばかりに喜んで軽快に歩いているように見えました。毛の抜けやすいタイミングなど、グースにストレスを与えないよう配慮しているようでした。

次に向かうのがコウダ・ヴィエルカ研究所です。

ポーランドは第二次世界大戦後終結直後の1946年、ポーランド共和国の農業部門の復興および生産・競争力の向上を目的に、農業省生産部管轄の下、バリツェ国立動物科学研究所を設立しました。コウダ・ヴィエルカ研究所はその下部組織に位置し、グースの品質改良及び育成技術研究担当の役割を受け、ポーランド各地のグースの研究を始めたのです。そこから1961年に試験的にデンマークから輸入したイタリアンホワイト種のグースが成長速度・繁殖能力の高さから最優秀と判断され、品種改良・全国普及・飼育技術改善を推進してきました。そして政府が国策として「ホワイト・コウダ種」の普及を強制したため、今日ではポーランドのグースは、ほぼ100%が「ホワイト・コウダ種」となりました。国の管理下にあり、品質が管理されているという特殊な羽毛になります。

コウダ・ヴィエルカ研究所につくと、スタッフよりコウダグースに関する講義を受けました。そして今回の視察目的の1つでもある試験を受け無事に合格し、Animex社とポーランド飼育社財団が認めるプログラムを終了した承認をいただきました。賞状として形に残るのは嬉しいですね。

 

その後はポーランドグース飼育者財団代表のクロネツキさんが経営する農場へ向かいました。飼育から育成を行っているようで、ヒナにも会えました。

 

また広大な牧草地には池もあり、グースがストレスフリーで元気に育っています。グースは団体行動をしますので、行進の様子は可愛かったです。動画は容量も重いので載せていませんが、見たい方がいましたら来店の際にお伝えください。

          

 

下の写真は「グース売ってよ!」と言われているところ(笑)

そして研修が終わるため、お別れディナーへ向かいました。Animex社の社長から羽柄のネクタイをプレゼントをいただきました。これは嬉しかった!

6日目の移動距離:約60km

 

【7日目】

本日は視察はなく、ホテルをチェックアウトしてからクルシュビツァへ移動して、ポーランドグース飼育者財団が主催するフェスティバルを訪問しました。露天がたくさん出展しており、お土産を探しました。

 

そこからフレデリックショパン空港へ約250km移動して視察の終わりです。

7日目の移動距離:約300km

この旅でのバスの総移動距離は約2,100kmとなりました。人生で一番バス移動した1週間だったのではないでしょうか(笑)

 

空港へ着くと帰国するみんなとは別れ、空港前のマリオットホテルにチェックインしました。引き続き旅にでる選別として、ミニどん兵衛をいただいたのは嬉しかったです。やっぱり日本のものが食べたくなりますよね。

 

翌日早朝からイタリアのローマへ向かいます。せっかくヨーロッパに来たのだからと1人足を延ばして旅の続行です!早朝にトラブルが発生するとは、この時は何も知りませんでした・・・

(ポーランド羽毛研修番外編:イタリアローマの旅へ続く)

 

2023年8月20日