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視察や研究

中国吉林省へ出張:羽毛視察

中国吉林省への羽毛視察について(2016年11月)

北京経由で吉林省長春市の空港に到着。長春といえば、満州時代の首都で有名です。11月半ばですが息が白くなるくらいで、外気温はー5℃でした。事前に調べていたため、ダウンジャケットから手袋やマフラーまで、今できるフル装備を準備しました。和歌山ではこんな温度にならないので、絶対住みたく無い・・・

空港からは、お迎えに来てくれていた羽毛メーカーの車に乗りホテルへ。五つ星ホテルというだけあって、エントランスホールの豪華なこと!部屋で少し支度をしてから、ホテル内にあるレストランへ向かいました。通された部屋に入ると、「THE中国」という円卓が(笑)

料理から飲み物から、全て注文してくれているということでした。同席してくれた部長さんが、金正日第一書記に似ていて(ごめんなさい)、大のお酒好き。40度はある白酒(パイチュウ)のショット持って、定期的に乾杯(中国の一気飲み)をしてきます。

何杯飲んだことでしょう… この日は移動と懇親で、みんなワイワイ楽しい夜となりました。海外視察はだいたいこのパターンが多く、飲みニケーションは世界共通だと、毎回認識できます(笑)


彼が部長です

2日目は、待ちに待った視察へ。
用意された車に乗せてもらったのですが、とにかく道が一直線でした。そのためスピードを出しまくり! 車線を変更しまくり! 車を抜きまくり! そしてブレーキを踏む! この繰り返しで、羽毛農場に約90分で到着。なかなか面白い経験でした。このスピードで約90分だから、かなり遠いと予想できます。

着いてみると、広大な土地に森林や池があり、夏場は放し飼い、冬場は建物のある敷地で飼うそうです。そこには大きく育ったグース(ガチョウ)がたくさんいました。良質な羽毛になるには、キレイな水と自然が必要で、この土地ならストレスなくすくすく育ちそうな気がしました。

次はまた1時間半かけて屠殺場へ。移動距離がすごい。さすが大国、中国です!

屠殺場に入るとすごく獣臭のような匂いがしました。見てみると、鳥の毛を手で抜いて収穫しています。羽毛布団の表示などで見るハンドピックというやつです。ハンドピックの現場を初めて見ましたが、その異様な匂いと雰囲気に正直戸惑いました。そして羽毛を採取する方法を聞いてみると、隣の部屋を見せてくれました。その部屋は湿度が高くて羽毛を採取する部屋よりも匂いが更にきつく、蓋の付いた釜がいくつもありました。

聞いてみると、その中に屠殺した鳥を入れて蒸すそうです。蒸すことで毛穴が開き、羽毛が抜きやすくなるとのことでした。「だから匂いがすごかったのか!』と納得。

(鳥写りの少ない、大丈夫そうなやつを厳選して載せました)

羽や小さなダウンを先に収穫し、それから大きなダウンを取る分担制になっていて、良い羽毛を集めやすい知恵でした。そんな光景を見てから、お昼は鳥料理。うっ、箸が進みません・・・血で煮た料理や、足はゴムのような感触。思い出しただけで・・・

それから会社の工場へ行き、ゴミの手選別、大型選別機、洗浄の工程、加工工場などを確認しました。

この会社の社長室も案内してくれたので、社長の椅子に座って社長気分(笑)

以前は中国の羽毛というと、薬品で色を染めたり劣悪な環境で管理されているイメージでしたが、今回の視察で、中国にも良い環境と大きくて密度のある良質な羽毛があることが確認できました。ハンガリーやポーランド産が良いと言われますが、羽毛の暖かさは産地ではなく品質で決まります。それをしっかり体感することができました。

視察には積極的に出向きたいと思います。

2021年12月29日